かい かい 奇 譚。 Eve 廻廻奇譚 特設サイト

あけいろ怪奇譚

🤩 ほんとうだよ、あんた、と、もう彦太郎は機嫌をなおし、あんな糞たれ共、勝手にしやがれ、わしも男だ、一人でやってみせる、負けるものか、とぐいぐいと続けさまに盃を空けた。

そんなことはないですよ、と云うのを途中からとって、まあ、そんなことはどうでもよいですたい、君が君の事業を大切にすることは当り前ですからな、しかし、人の仕事にまでけちをつけるようなことはして貰わんがよいですな。

クロガネ回姫譚-閃夜一夜-

⚓ 何とも知れんことを口走ったり、何でも手あたり次第に投げたり、暴れるので危ないから、山の 総円 ( そうえん )さんに来て貰って、 紙捩 ( こより )で封じて貰った、総円さんは飲んだくれのようなやくざ 山伏 ( やまぶし )と人はいうけれども、俺はつくづくと今度だけはえらいと思った、あまり暴れるので俺が大きな 綱 ( つな )でぐるぐるまきに 縛 ( しば )っておいたのに、どんなに 頑丈 ( がんじょう )にしといても何時の間にか抜けてしまうのだ、ところが総円さんは短い かんじんよりで手足の指を 繋 ( つな )いで拝んだだけだが、それでもう自由がきかず、全くおとなしくなった。 この辺は 佐原山 ( さはらやま )の頂上であって、数年前までは笹や 灌木 ( かんぼく )などの密生した全くの 荒蕪地 ( こうぶち )であったのである。

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主な作品に『もがりの首』『レジエンテール千年太』『怪奇タクシー』などがある。 少し位の雨なら、海員児童ホームだけでも汲取って置かねばならぬと思い、例の如く、彦太郎は一升徳利から湯呑茶碗に焼酎を注いで飲んだ。

譚海とは

💖 それは古ぼけた縁の釘が飛んだほどの 烈 ( はげ )しさであった。 食用蛙が居るのか、と彦太郎はびっくりした顔で訊き返した。 どぎまぎし、ひょっくり、皆田は友田喜造の腹心の者だったことに思いいたり、背後に友田の 鳶 ( とび )のような凄い眼附を感じて、途方に暮れた気持になったが、ようやく、気をとりなおし、自分の事業だけはどんなことがあっても守らねばならぬと思った。

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・サンプルボイス一部公開!• 村に肥料を売りに出かける時折に、家に立ち寄ってみるのであるが、何時行っても女房のとしのは畠に出ているか、 藁 ( わら )を打っているか、 機 ( はた )を織っているかして働いていた。 ・あけいろ怪奇譚公開!• 彦太郎が卯平の所に寄ったのも、四荷ほど 肥料 ( こやし )を廻してくれるようにと頼まれていたからであったのに、商売も忘れてしまって彦太郎は逃げ出して行くのである。

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✍ 2015. ・体験版公開!• 久太郎が猿のように歯をむき出して笑う声に、ひょっくりと彦太郎は眼を覚ました。 町から相当離れた海浜にある、温泉と名だけついている、この湯に、今日は誰も居なかった。 本日より発売までのカウントダウン開始です!• そういう意味だと、ようやく、彦太郎は皆田老人の云った言葉を理解し、いやいや、あんた、わしは人の仕事の邪魔などしませんよ、と答え、人の好い微笑を 湛 ( たた )えて、飲みませんか、と 錫 ( すず )かんをさした。

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この浮かれた気分は彼にとって彼を実に幸運な事態にみちびいた出来事が起った。

クロガネ回姫譚-閃夜一夜-

⚓ ようやく少しずつ事態がはっきりして来ると、手に持ったままにしていた空の盃を置き、うつむいてためいきをついたが、やがて思いなおしたように顔をあげ、やれやれ、なんのことだ、もとの 杢阿弥 ( もくあみ )か、と 呟 ( つぶや )いて、 棄鉢 ( すてばち )のように声を立てて笑った。 本日発売です!!!• 卯平はようやく水面から眼を離して、窓から身体をのし出して、泣くとも怒ったともつかぬ、くずれたような表情を湛え、日頃から大きい眼が、痩せ細ったために、飛び出したように見える瞳を据えて、歯を噛むような声を立てて笑い出した女房に、いきなり掴んでいた泥を投げつけ、ちょうッ、と動物を追うように 呶鳴 ( どな )り、坐って居れ、と叫び何か大きな声でお経のような文句を云った。

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酔が廻るにつれて彦太郎は自分の説得が効果を現わしたことで嬉しくなり、さあ、みんな、愉快に飲もうじゃないか、 土方 ( どかた )の喧嘩で頭割りなどと、後から決して云いはせんから、どんどん飲んで貰いたい、間もなく隈井さんも天野さんも来るだろう、天野さんが賛成であることはわしが 太鼓判 ( たいこばん )を押しておく、こないだ面白い夢を見た、まあ、聞いておくれ、あんた、と先夜見た夢の話をし、あれは 正夢 ( まさゆめ )に違わん、わしの考えて居ると同じことを天野さんが云って居った、隈井さんには聞いてみなければわからないが、外の者全部が作ろうというものを、隈井さん一人で反対はせんに違いない、どうだ、芸者さん、これからは 肥料 ( こえ )取賃を女に限り倍にするぞ、どうも男よりは女は汚のうていかん、月のもんでもある時にはうんざりするぞ、と云って盃をかかえたまま愉快そうに笑った。

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☘ 赭土 ( あかつち )の中にころがった大小さまざまの西瓜は 埃 ( ほこり )にまみれて 禿 ( は )げたような青い色を 晒 ( さら )している。 2016. まるで 河童 ( かっぱ )じゃな、あんた、と彦太郎が云うのに答えず、卯平は鋭い目附になって注意深く池の中をあちこちと眺め廻した。

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嬶 ( かかあ )も因果な奴さ、と卯平の云った言葉がぴんと胸にひびき、彼は、苦労させつづけている自分の女房と子供達のことを思い出し、今更のことではないけれども、日頃鼻柱の強い卯平が何時になくしんみりと述懐した様子が、 やきがねのごとく彼の心を 弾 ( はじ )いたのである。

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🤝 純白なペンキの色が一層彦太郎を楽しくした。 このドノゴオ・トンカは、金を採るかわりに 塵芥 ( ごみ )を取る部落となった。 彦太郎だと知ると、下の方で背を伸ばし、伸びをして腰を叩き、こちらに笑いかけたのが遠目にもわかった。

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溺 ( おぼ )れ、救いを求める人々の中に、彦太郎は、汲取り方が悪いから金を払わんと云った会社員の顔や、家族が減ったから十銭引きなさい、でなかったら他の者に頼むから、と云った果物屋の 主婦 ( おかみ )さんの顔や、を見た。

クロガネ回姫譚-閃夜一夜-

☘ ぎらぎらと光る砂が彼の眼を射すくめたが、 陽炎 ( かげろう )のあがるその砂丘の向こうに、幻燈のようにまっ青な海が横たわり、 防波堤 ( ぼうはてい )に白い 飛沫 ( しぶき )をあげて、だうんだうんと鳴っていた。 波の音も聞え、 松籟 ( しょうらい )の音もし、何処か山陰あたりの温泉地にでも旅したようなゆっくりと落ちついた、よい気持であった。

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ところが、友田は約束通りやって来たらしい。 缶詰の殻が彼の右足に命中したにもかかわらず、彼は振りむこうともせず、今ごろは半七さん、何処にどうしてござろうぞ、と、一層調子を高めながら、 悠揚 ( ゆうよう )せまらず、橋をわたり、町の方へ出て行った。